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ショパン(1810-1849)が、1829年19歳のときに歌曲として作曲し、リスト(1811-1886)が1860年にピアノ独奏版へ編曲した『乙女の願い(6つのポーランドの歌より) S.480 R.145 』です。
ピアノの詩人と呼ばれるショパンですが歌曲も19曲残しており、最初の歌曲が乙女の願いです。
リストはこの全19曲の歌曲の中から6曲を編曲し、1860年に「6つのポーランドの歌」として出版しました。
原曲のタイトルは「Życzenie(願い)」作詞はショパンの友人ステファン・ヴィトヴィッキです。
〈歌詞:ポーランド語〉
Gdybym ja była słoneczkiem na niebie,
Nie świeciłabym jak tylko dla ciebie.
Ani na wody,ani na lasy,ale po wszystkie
Czasy pod twym okienkiem i tylko dla ciebie
Gdybym w słoneczko mogła zmienić siebie.
Gdybym ja była ptaszkiem z tego gaju,
Nie śpiewałabym w żadnym obcym kraju.
Ani na wody,ani na lasy,ale po wsystkie
Czasy pod twym okienkiem i tylko dla ciebie
Gdybym w słoneczko mogła zmienić siebie.
〈日本語訳〉
もし私が空の太陽だったら
あなただけを照らすのに。
海でも森でもなく
あなたの窓辺だけを永遠に。
太陽になれたなら.....
もし私が森の小鳥だったら
あなただけのために歌うのに。
海ででも森ででもなく
あなたの窓辺でだけ永遠に。
小鳥になれたなら....
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リストはこの作品のピアノ独奏編曲にあたって、徐々に力強さを増していく変奏曲に作品を再構成しました。
もともと8小節であったものを26小節に拡大した前奏の後、装飾を加えながらも原曲をほぼそのままピアノ・ソロに移し替えた旋律が主題として奏され、そのあとに3つの変奏が続いていきます。
第1変奏は舞曲の要素を強調した軽やかな性格。
第2変奏は右手の3連符によるフィギュレーションが特徴的で、ショパンの練習曲作品25-2を想起させる技巧的な変奏が魅力です。
第3変奏は、オクターヴや分厚い和音の使用によって最も劇的な変奏となっている。更に第1、第2変奏の要素の融合や八分音符と三連符によるポリリズムも取り入れられ、揺れ動く感情とその爆発が効果的に描き出され、華やかに終止します。
ピアノの詩人ショパンとピアノの魔術師リストによる素敵な作品です。
ぜひお聴きください♪